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課題テーマに挑戦「鳥海山」第23回

2017年11月26日

 課題テーマに挑戦「鳥海山」第23回

今日は、「第37回つくばマラソン」の日です。ランナーの方は私の家のすぐ近くを通りますので、先ほどちょっとパソコンから離れて数枚写真を撮って来ました。

老若男女1万数千人のランナーは思い思いのスタイルで走ります。この画像には写っておりませんが、高齢と思われる方が上半身裸で走っておりました。私よりもはるかに速い走り方でした。普段よほど鍛えていないと、完走は難しいと思います。

話を戻します。今回で、課題テーマに挑戦「鳥海山」は第23回を迎えました。「鳥海山物語」が意外と長くなっているためなのですが、やっと終章に入りました。あと数回で終了したいと考えております。ですが、パソコンに向かっていると勝手に指が動き、文字数が増えてしまうのです。

予定ではとっくに物語りは終えて、既に作詞作業に入っている筈でした。大筋のストーリーは決めているのですが、つい言葉が浮かんで文字にしてしまいます。するとつい長くなってしまうのです。

今日、「終章(1回目)」を書き進めるに当たり、途中から読み返してみました。すると、今後の展開で修正しておきたいところが2ヶ所ほど出て来ました。一つ目は、10月29日の第18回の「第4章(1回目)」の部分です。食事の支度は女中さんがしているとの部分です。二つ目は、11月4日の第19回の「第4章(2回目)」の部分です。やはり女中さんが身の回りや食事の世話をしているという部分です。

このところは、今後の展開のため、総一郎が大学での寮生活で慣れているため、自炊も洗濯などの身の回りのことも自分で行っていると訂正しました。東京でのアパート生活を総一郎が一人でしているということを強調するために変えたのです。この理由は、この後の終章2回目以降をお読みいただければお分かりになるかと思います。

 鳥海山物語

  第5章(1回目)  昭和51年5月半ば

総一郎に出した手紙の数は20通を超えていますが、総一郎からは何の連絡もありません。

もう5月の半ば、明日は伯父の持ってきたお見合いの日です。由美子は、母が見合いをしないのなら出て行けとの言葉に泣く泣く承諾したお見合いですから、最初から丁寧に断るつもりでした。

お見合いは、隣町にある少し洒落たレストランで行われました。由美子は、母がいつの間にか用意した着物を着て行きました。伯父に連れられて行くと、見合いの相手と親戚だという年配の男の人が二人先に来ていました。

由美子の伯父は、「お日柄もよく、今日はおめでとうございます。」などと、よく意味の分からない挨拶をし、とにかく4人は席に着きました。

由美子は相手の男の人の顔を見ることはありませんでした。伏し目がちに、ずっと握りしめたハンカチを見つめていました。

親戚の叔父と言う人が見合いの相手の紹介を始めました。見合いの相手は、信彦と言い、役場に勤めてもう直ぐ10年になるとのこと、また仕事も出来て職場では将来を見込まれているなどと話しました。また、人柄は穏やかで、とても皆に好感を持たれていること等も付け加えました。

由美子の伯父は、由美子が幼い時に父親が亡くなり随分苦労したが、性格は素直で、また父譲りの整った顔が自慢だなどと由美子を褒めました。

少しして、食事が運ばれてきました。お酒も運ばれてきましたが、信彦はお酒が飲めないとのことで、付添いの二人だけが徳利を互いに交わして、盛んに二人を「似合いの夫婦だ。」とまるで婚約が成立したような言い方をしました。

由美子が不意に顔を上げた時、信彦の目と合いました。お互い、ほんの僅かな時間でしたが、視線を外すことなく見つめ合いました。確かに、信彦と言う青年は優しく、また生き方に信念を持っているという風な凛々しさも感じられました。しかし、それ以上の興味は持てませんでした。             

由美子は、このお見合いの席にいることを恥じていました。心から愛する人がいるにも拘わらずお見合いをすることは、どんな事情があるにせよ、裏切り行為と思われても仕方がないと、総一郎への詫びる気持ちで一杯でした。

その日は食事をした後、徳利を交わして盛り上がっている二人の勧めで、近くの稲荷神社に二人は行きました。しかし、由美子も信彦もお互い積極的に話しかけることはありませんでした。

お見合いが済んだ数日後、由美子とふみ子が夕食を済ませ寛いでいる所に、伯父の秀夫がやって来ました。

「由美子、見合いの話しだけど、先方はお前が良ければ、ぜひ嫁に欲しいそうだ。信彦さんは、お前が優しそうな、そして口数が少ないが頭の良さそうな人に見えたと言っていたぞ。」

伯父の秀夫は、嬉しそうに一気にしゃべりました。それを聞くと、母のふみ子も興奮しながら言いました。

「それは良かった。こんな好い縁談、滅多にあるもんじゃない。相手に気に入られて、何よりだ。良かった。これで、私もやっとひと安心だ。」

伯父の秀夫は、自分の手柄とでもいうように言いました。

「信彦さんの両親は、お互いに良ければ秋の収穫が済んだあと、少しでも早く祝言を挙げたいそうだ。」

由美子は、じっとして何も話しませんでした。ただ、二人の喜びようを見ていると、この場は断われる雰囲気ではないと諦めたのです。

由美子は総一郎からの連絡を待ちましたが、一向に返事がありません。こうしている間に、縁談の話しは由美子を超えたところで着実に進んでいるのです。

由美子は焦り、総一郎への手紙をただ書き続けるだけでした。          つづく

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