課題テーマに挑戦
2015年05月23日
「笛吹川」その(8)
さて、いよいよ「ことばを並べてみよう」に入ります。
今回は「笛吹川を舞台に、昔好きで別れた女の人への切ない想い」がテーマですが、歌詞の一番には「権三郎」「長慶寺」、二番には「桃源郷」を、そして三番には「富士川」を背景にしながら、テーマに近づけるような表現にしていきたいと思います。
繰り返しますが、この「ことばを並べてみよう」の1回目は、文字数も関係なく全体の雰囲気をつかめる程度のものです。では、さっそく以下に記します。
1番 酔って月夜の この境内に
むかし逢瀬の長慶寺
母はいずこか権三郎
愛しき女(ひと)はいずこの空か
未練心をなぜ断ち切れぬ
この身切ない笛吹川よ
2番 川面の先の桃源郷を
肩を寄せ合い歩いた二人
甘い香りは桃の香 それとも黒髪か
まぶたに浮かぶあの女(ひと)の
笑顔が今日は 涙顔
ひとり佇む 笛吹川よ
3番 思い重ねた釜無川と
晴れて夫婦の富士川に
流れの強さは 情けの熱さ
うらやむわが身叶わぬ夢か
ふいに落とした涙のしずく
春はいつ来る 笛吹川よ
以上、「ことば集め」から、ひと通り「ことばを並べて」みました。多少、並べながら変えた部分もありますが、ざっとこんな雰囲気になろうかと思います。ですが、この時点では文字数をまったく無視しています。初めから文字数を意識せずにことばを並べるのは、文字数にイメージを壊される懸念があるからです。作詞のための作詞ではありません。ストーリー、そしてその流れを優先して、全体の雰囲気を整えます。
次回は、「ことばに文字数を入れてみよう」に入ります。作詞の難しさは、ここからです。どんなに気に入ったことばでも、歌詞に使うことを、文字数が許してくれないことが多いからです。
画像は、昨年わたし原科香月が撮ったものです。つくば市はブルーベリーの栽培に力を入れております。とても健康に良いそうです。