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エッセイ「宝篋山登頂記」

2022年11月20日

 エッセイ「宝篋山登頂記」

私は、先日「宝篋山(ほうきょうさん)」という山に登って来ました。その時の様子を書いたエッセイと画像をアップしたいと思います。先ず宝篋山の紹介ですが、つくば市公式ウェブサイトより引用させて頂きます。

「宝篋山はつくば市北東部にある、標高461メートルの山です。 東には日本で2番目の面積を誇る霞ヶ浦、遠くに太平洋(鹿島灘)を望むことができます。 また、南西には関東平野を一望でき、空気の澄んだ日には富士山が、北には名峰筑波山、その先には榛名山・赤城山・日光連山と360度のパノラマを楽しむことができます!」

   宝篋山登頂記

「宝篋山」 私がこの山の名を知ったのは恥ずかしいことだが最近である。

私はこの山の名を地元の人が呼ぶ「小田山」という名で、幼い頃より覚えていたからだ。

ある趣味の会の方で、この山に登ったことがあるという人から、初めて宝篋山という名を聞いた。麓までは何度も行ったことはあるが、登ったことは一度もない。

 筑波山には何度も登ったことがある。中学生の時も自宅から自転車で麓まで行き、畦道に勝手に駐輪して登ったことがある。高校生になっても、やはり自転車で麓まで行き運動靴で登った。何度登っても飽きることはなかった。

 今回、この宝篋山に登る決心をした。この山は標高461mで、筑波山の約半分の高さでしかない。しかし、古希を昨年迎えた私には、果たして頂上まで登れるか自信はなかった。

 私は趣味の会の方からアドバイスを受けて、ポールと手袋を用意した。リュックにはタオル数枚と、日本茶と麦茶、それからチョコレートやお菓子などを入れた。

 すぐに行くと決めていた訳ではなかったけれど、前の晩に「明日行こう!」と心が叫んだ。その晩のうちに準備をした。

 駐車場までスマホのナビに頼り、登山口までたどり着いた。下準備を全くしていなかったので、前を歩く人の後を付いて行った。

登り始めると、20代になりたての頃、先輩に連れられて行った長野での登山を思い出した。

「こんにちは!」「こんにちは!」既に、頂上まで辿り着いた人が降りてくる。行き交う人が声をかけ合う。気持ちの良い挨拶である。狭い登山道では、交錯時には降りてくる人が待ってくれる。危険回避のためである。

初めの緩やかな傾斜は快適に歩けたが、前日の長時間もの卓球の練習で、膝と大腿部辺りに疲労がたまっているのは初めから気付いていた。

アドバイスがとても有難いと感じたのは、結構きつい傾斜になってからだった。きつい傾斜では体のバランスがとり難い。そんな時は、ポールが私のバランスを補ってくれた。また手袋は、登山道の脇や中央に立っている木々を手で掴んで体を上に引き上げることが出来、狭い道では岩に手を付いて登ることが出来た。この二つは、私の体力の負担を軽くしてくれた。

途中の小さな滝や、広葉樹が赤や黄色に染まり、その美しさが私の大分先を行く集団の姿と重なり、1枚の絵画のような錯覚を覚えた。その風景をカメラに収めている間の僅かな時間が、私の疲労を少し回復させてくれた。

どれくらい登っただろうか、ふいに頑張れとの友人からのラインでの励ましもあり、大きな無線塔が目の前に見えたときには、やっと頂上だと安堵した。

そこには、若い女性や中高年のグループがベンチに座り、賑やかに語り合っていた。ふと見ると、どのグループも皆同じ行動をしているのに驚いた。リーダーらしき人が、いかにも慣れた手つきでコーヒーを仲間のカップに注ぎ、受け取った人は至福の時と言わんばかりにゆっくりと口に運んでいる。羨ましくなったが、私はペットボトルのお茶とお菓子で寛いだ。

下山は、ポールと手袋を駆使することによって、予定よりも早く麓に着くことが出来た。

今回は、懇意にして頂いている方のアドバイスで登頂できたが、帰途の車中で「私の脚もまだまだ捨てたもんじゃない!」と、小さな声でつぶやいた。  (おわり)

 【宝篋山の画像】

下の画像は、今から登る「宝篋山」の姿です。拡大してみると、山の上に白い建物が見えます。そこが頂上です。

この宝篋山に登るコースは全部で6コースあります。私が登ったのは、「極楽寺コース」でした。少し登り始めると、何ヶ所もの小さな滝がありました。

途中、平地のような登山道を歩くと、秋真っ盛りという景色でした。

初めての「宝篋山」でしたので、前を歩く人の後を付いて行きました。

途中、見晴らしの良いところで撮りました。

既に登頂して、降りてくる人に「後どれくらいで頂上ですか?」と聴きますと「もう直ぐです!」との有難いご返事でした。この電波塔が見えた時は安心しました。そこが頂上だからです。

やっと頂上です。視界が急に開けました。

頂上の様子です。遠くの山は筑波山です。夕方から雨との予報に、空は曇ってしまいました。

頂上でお菓子とペットボトルのお茶で一服してから下山しました。麓に近いところまで降りると「ハート岩」がありました。アドバイスをしてくれた人から聴いていましたが、登りの時は気づきませんでした。

下山は、ポールと手袋のお陰で楽でした。アドバイスをして頂いた方には心よりお礼申し上げます。有難うございました。

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