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創作の小部屋「独居老人のひとり言」第6回

2019年03月30日

 「独居老人のひとり言」第6回

この画像は家の近くの公園の桜ですが、今年のものではありません。今から行って撮って来ようとも思いましたが、このブログを進めることを優先してしまいました。この公園には大きな人工池があり、もう少し過ぎるとルアーを持った若い人が絶えなくなります。

  「独居老人のひとり言」第6回

第5章 退職金の目減り

妻が亡くなり既に3回忌も済んだ。私の一人暮らしも、もはや日常となった。妻と結婚後8年で購入したこの家も既に30数年の月日が流れ、台風で瓦が何枚か落ちたり、壁紙も大分変色したりと、本来はリフォームをすべき時期に来ていた。

私が45年間勤務した会社を定年退職した折、おおよそ1,500万円の退職金を貰った。そのお金は、長男の幸喜夫婦がこの家に住む為のリフォーム代か、或いはよその土地に家を購入しようとした時、その費用の一部に使わせるつもりでいる。

妻が生きていた時は家計費の管理は、妻に全てを任せていた。妻は私より、はるかにしっかりとしていて賢明だった。今、私は家計簿を付けている。しかし、贅沢はしていない筈にも拘わらず、年金だけでは生活費が補えず、預金を取り崩していることに気付いた。妻との別れのその悲しみで、何も考えられなかったが、このままでは退職金に手を付ける日が来ることが予想された。

固定資産税・国民健康保険料・県民税・市民税など、僅かな年金生活者にも容赦はない。私の家計簿の中で出費が大きいのは、上にあげた税金の他では第一に電気代、次に車のガソリン代や灯油代などだ。スマートフォンの出費も大きい。家のローンはないが、車のローンが残っている。食費の出費が多いのは止むを得ないと思っている。

私は昔、高級車に憧れた時期がある。妻に優しく諭されて実現しなかったが、その気持ちは今でも同じである。最近、街にはハイブリッド車が大分増えたが、私には縁のない話だ。やっと1800ccの中古車に乗っている。新車を買う余裕などある筈もなく、新車登録時から換算して11年も経つ車を、数年前に車検付きで56万円で購入した。通帳の預金を担保にして、利子の付くローンでの購入だ。妻なら、預金をおろし現金で買ったかも知れない。貧しいものは、手元の現金を手放すのが欲しい。キャンプや県外での撮影に利用するためバンタイプのものを選んだ。

私がスマートフォンを持っている訳は、通常の携帯電話としての機能以外は、ラインでの仲間との打合せ、また息子からの2歳になる孫娘の画像の受信、個人的には百科事典の代わりとして、またナビとして、特にネットでの情報収集には欠かせない。便利に使っているので、高額なのは止むを得ないと観念している。私にはなくてはならない物で、貧乏な年休受給者には相応しくないと非難される謂れはない。

5月になると自動車税の納税通知が来る。昨年はその書類を見て驚いた。何と、古い車だからと税が可算されているのだ。誰だって新車の高級車を乗りたい。出来ればハイブリッド車がいい。この前ガソリンを入れたのは何時だったかと、記憶を辿る真似がしてみたい。車を取り換えられない低所得の年金受給者に、どうして税金を加算するのか?

パソコン教室と、仲間のパソコン勉強会に参加するようになってから、生きる意欲が出てきた私は、生活費をどう立て直すかを考えた。節約も重要な方法ではあるけれど、何か侘びしい。心に余裕を持って生きるには、守るのではなく攻めでなければ、内に閉じこもった小さな人間になってしまう。

私は働く決心をした。                          つづく

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