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課題テーマに挑戦「金沢市」第27回

2020年08月22日

 課題テーマに挑戦「金沢市」第27回

来週あたりから、このうだるような暑さから解放されるのでしょうか?

「夕香金沢ひとり旅」の物語は、今回で終了とさせていただきます。次回からは、作詞作業に入ります。今回のテーマはくりかえさせて頂きますが、背伸びをし過ぎたようです。関係者の皆様に失礼がありましたら、心からお詫び申し上げます。

さっそく、「夕香金沢ひとり旅」をご覧いただきます。

  夕香金沢ひとり旅 第13回

第13章 それからの夕香(最終章)

あの日、帰りの北陸新幹線の中で、私は祖父の手紙のことを思い出しました。あの手紙は、実家のタンスの中に保管しています。ですが、忘れたことはありません。今回の大西教授との尊い出会いは、祖父のお陰ではないかと思いました。

突き抜けるように澄み切った金沢の青く高い空の上から、祖父は私を見守り、そして教授に会わせてくれたとしか思えません。込み上げてくる嗚咽に、私は誰もいないデッキに走り、しばらく泣き続けました。

- 世界で一番大好きな夕香ちゃんへ -

じいじは 夕香ちゃんが世界で一番大好きです
じいじは 夕香ちゃんが大きくなるまで傍にいたいです

じいじは 夕香ちゃんの成人式が見たいです
じいじは 来年70歳 いつまでも生きていられないのです

夕香ちゃんが ずっと元気で
そして幸せであるよう祈っています

もし じいじが生きていなくても いつも高い空の上から
夕香ちゃんを見守っています

泣きたいときは 思いきり泣いてください
じいじが守ってあげます

やさしく こころも姿も
美しい人になってください          じいじより

私が2歳の時に書いてくれた祖父の想いは、20数年の時を経てもなお生き続けてくれたのでした。私はとめどなく頬を伝う涙のままに、祖父に向かって誓いました。

〇時間を浪費しないこと

 20代半ばの私であっても、命の危機が訪れる可能性は無視できないことから、時間の浪費に充分留意すること。若い女性の罹患率の高い乳がん・子宮がんの検診を可能な限り毎年受けること。(このことは大西教授の友人の外科医の口癖という)

〇障害のある子供たちの将来に明かりを灯すこと

 発達障害を研究テーマとする私の生き方の基本は「子ども達が社会に出て、いかに生きて行くか?そのための支援に生涯をかけて取り組むこと。子ども達が将来にわたって生きにくさを感じることなく、生活ができる環境作りのために尽力すること。研究室に籠ることなく、子ども達と出来るだけ時間を共有すること。

〇大西教授のように命の尊さに感謝し、地位や金銭への欲にとらわれずに真摯に生きて行くこと。 

(夕香それからの10年)

兼六園で「国立特殊教育研究センター」の大西教授と出会ってから10年の歳月が流れました。現在の私は大西教授に誘われ、研究センターの准教授として、やはり発達障害の研究に明け暮れています。充実した日々です。子ども達とも、あの日のように犬を連れて兼六園を散歩しています。犬種は、ウェルシュコーギーです。

もう一つ報告があります。一昨年この研究センターの総務課の方と縁あって結婚しました。今、私の腕の中で眠る陽菜(はるな)は、10ヶ月になります。私は研究に追われて晩婚でしたので、孫を授かるのは多分還暦と古希の間位かなと思っています。祖父が幼い私に書いたように、私もいつか孫に手紙を書こうと思っています。

最後に、これからも家族と同じくらいに、子ども達と時間を共有していきたいと心から願っています。

兼六園は、私を悔いのない人生へと導いてくれました。この感謝の気持ちを私は、生涯忘れることはありません。                  

【大西教授と友人の外科医の後日談】

大西教授は術後20年近くの時を経ても、あの恐ろしい金剛力士が夢に現れることがあり、生きることの喜びを再確認させてくれるという。

また、大西教授の友人の外科医が日本消化器外科学会で、大西教授の症例を発表したとき、演壇の前に数名の質問者が集まり、友人が板状に見えたという画像を真剣に見つめて言ったという。

― この画像で、スキルス性胃がんを疑うのなら、私など8割の受検者に要精密検査の指示を出さなければならない! -

 

次回から、仮題「夕香金沢ひとり旅」の作詞に入りたいと考えています。

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